2009年3月23日月曜日

国際刑事裁判所:斎賀判事、米加盟に期待感--毎日新聞と会見

国際刑事裁判所:斎賀判事、米加盟に期待感--毎日新聞と会見
 【ニューデリー栗田慎一】国際刑事裁判所(ICC)の斎賀富美子判事(65)が19日、国際組織「アジア・アフリカ法律協議会」(AALCO)のシンポジウムに参加するため訪れたニューデリーで毎日新聞と会見した。斎賀判事は「米国はオバマ政権に代わった後、ICCに協力的になっている」との認識を示し、02年のブッシュ前政権時代にICC設立条約の署名を撤回した米国の加盟に期待感を示した。

 斎賀判事はブッシュ政権が、ICC加盟国に対し、米国民をICCに引き渡さない2国間協定の締結を迫るなど、妨害的行為を続けた点に言及。「ブッシュ前政権も任期満了が近づくにつれ2国間協定を押し付けなくなっていった」と述べた。また「(米国の加盟は)すぐには困難かもしれないが、オバマ大統領ならばできるのではないか」と話した。

 ICC設立条約については、クリントン米大統領が00年に署名したが、対テロ戦争を始めたブッシュ政権は、ICCの訴追が米軍兵士に及ぶ可能性があるとの理由から02年に前代未聞の署名撤回を強行した。オバマ政権はICCが今月4日、ダルフール紛争を巡りバシル・スーダン大統領に逮捕状を発行した後、「スーダンはICCに協力すべきだ」と声明を出している。

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http://mainichi.jp/select/world/news/20090322ddm007030068000c.html

 ■ことば

 ◇国際刑事裁判所(ICC)設立条約
 大量虐殺など人道に対する罪、戦争犯罪などを裁くため、常設裁判所を設立するための条約。加盟国は日本など計108。加盟国や国連安保理の要請のほか、検察官の捜査と起訴により裁判が行われる