ロシアがスーダンに戦闘機売却 内戦助長の懸念
2008年11月16日 朝刊
【モスクワ=中島健二】ロシアが、紛争の続くスーダンにミグ29戦闘機12機を売却していたことが14日、明らかになった。同国のフセイン国防相が訪問先のモスクワで語った。スーダンはじめアフリカ諸国へは、ロシアや中国などからの武器流入が頻発しているとされている。内戦などを助長しているとの指摘もあり、今回の売却証言でロシアに批判が集まるのは必至だ。
インタファクス通信によると、ロシア軍需産業関係者は戦闘機売却が2004年に行われたと認めた。また、フセイン国防相はミグ29購入とともに、ロシア側が、スーダンの軍備近代化のため専門家を派遣して協力を続けているとも発言。両国の密接な軍事関係が明らかになった。
スーダンに対しては昨年、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが、ロシアからの武器供与の可能性を指摘。中国からの武器流入も指摘されていた。いずれも紛争状態が続く西部ダルフール地方に持ち込まれているのは確実で、悲劇の拡大につながっているとして国際社会の懸念が深まっている。
このほかアフリカ南部ジンバブエでも、今年4月、同国向けの武器を満載した中国の貨物船が南アフリカに入港したことが発覚。9月にソマリア沖で海賊に乗っ取られたウクライナの貨物船には、ロシア製戦車などが大量に積載されていた。
ロシアや中国は、スーダンなどに埋蔵する石油や鉱物資源に着目しているといわれており、武器供与を絡めた取引で関係を深めようとしている可能性もある。
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2008111602000052.html