スーダン:南ダルフール州での活動に対し政府当局から停止圧力
2008年10月30日掲載
国境なき医師団(MSF)は、先日スーダン政府高官から、MSFの南ダルフール州における活動を11月1日から停止させる可能性があるとの複数のコメントが聞かれたことに関して強い懸念を抱いている。
MSFのオランダ支部は2008年2月、南ダルフール州政府との間で、避難民および地元住民の医療ニーズに基づいて、今年一年を通して医療活動を行うとした合意書に署名した。この合意書は国家政府レベルで承認を受けるため、首都ハルツームへと送られた。過去何ヶ月にもわたって、MSFはスーダン政府の最終的な署名を得るべく働きかけてきたが、これまでのところ成果は出ていない。
スーダン政府はMSFに人員削減、特定の医療活動停止と、全体としてのスタッフ数を一定に制限することを求めてきた。しかしMSFは、現行の活動を保障する上述の合意書に署名を得るべく交渉を続けている。
2004年以来、MSFはダルフールにおいて完全な透明性をもって、またスーダン政府当局者の合意を得た上で、人道医療援助を提供し続けてきた。
MSFはスーダンで25年以上にわたって活動している。直近の4年間には、ダルフール地方に設置した診療所と病院で数十万にのぼる人びとを治療してきた。当地での活動は人びとの健康を安定させ、彼らの苦しみをやわらげることに貢献している。
「何十年もの間、スーダン政府当局は、助けを必要とする人びとの元へ赴こうとするMSFに国内への立ち入りを許可してきました。」とダルフールにおける前活動責任者であり、現在はMSFオランダ支部に所属しているヴィンセント・ホーデは語る。「なぜ、今になって私たちが医療援助を提供するのを妨げようとしているのか、分かりません。ダルフールには現在も深刻なニーズが存在することは明らかで、これは信じがたいほど歯がゆいことです。」
http://www.msf.or.jp/news/2008/10/1342.php