2008年11月8日土曜日

ジョージ・クルーニー「21歳の若者たちのタックルを受けるのは辛かったよ(笑)」

ジョージ・クルーニー「21歳の若者たちのタックルを受けるのは辛かったよ(笑)」


『フィクサー』や『シリアナ』、『グッドナイト&グッドラック』など、このところシリアスな作品が続いていたジョージ・クルーニー。初めて監督と主演を兼務した新作『かけひきは、恋のはじまり』は、ガラリと趣向が変わり、1920年代を舞台にした楽しいロマンティック・コメディだ。ジョージの役どころは、落ち目のプロフットボール・チームのキャプテン、ドッジ。カレッジ・フットボールのスター選手で第二次世界大戦のヒーローでもあるカーター(TVシリーズ「The Office」のジョン・クラシンスキー)を引き抜いて、チームの人気を取り戻そうとする。

「レニーとはいまも週に一度は電話で話しているよ」

スクープをものにするためカーターに近づく勝ち気な新聞記者・レクシー役にレニー・ゼルウィガーをキャスト。私生活でうわさになったこともある二人はいい友達同士だそうだ。
「レクシー役には最初からレニーしか考えられなかったんだ。オリジナルの脚本に、レニーが話していると思えるようなシーンがいくつかあったからね。どうしても現代的な雰囲気になってしまう役者が多いんだけど、彼女はこういう時代ものに見事に合うんだよ。彼女とは長年の友達で、いまも週に一度は電話で話しているよ」。

ジョージ自身が「40年代にジョージ・キューカーやハワード・ホークスが手がけた“スクリューボール・コメディ”(ドタバタコメディ)のような作品にしたかった」と言う通り、ドッジとレクシーが猛烈な早口で口論するシーンは、クラシックなハリウッド・コメディを彷彿とさせ、とても面白い。
「監督として、ああいうシーンの正しいリズムをつかめるかどうかが大事だったんだ。まずは普通のスピードでリハーサルをして、そのシーンにおける適切なリズムをつかむ。それからスピードを上げるのがコツなんだよ。出来るだけ早口でまくしたてるんじゃなくね」。
ドッジが年を取っていることをネタにしたジョークが何度か出てくるのだが、ジョージが若者たちに混じってフットボールをプレーするシーンも見ものだ。
「撮影していたときは45歳だったんだけど、21歳の若者たちにぶつかられるわけだから大変だったよ。初めて僕がタックルされた日、『これからはルールを変えるぞ。監督をタックルすることは許さん!』って言ったんだよ」。

TV番組でのジョークがネットを通じてあっという間に全世界へ

「年を取ることをまだ心配していない」というジョージだが、最近、インターネットで「ジョージ・クルーニー、目を整形手術!」というニュースを流された。いつもの調子で言ったジョークをまともに取られたらしい。
「TV番組のインタビューで『整形手術をする可能性はありますか?』と聞かれて、『実は目をやったんだよ。どう思う?』って答えたら、それがイタリアの雑誌に出てね。あっという間に広がったんだ。僕が『ER』に戻るっていうニュースもあったよ。僕がそれを見たときには、すでに175もの記事が書かれた後だった(笑)」。

セレブにはつきもののゴシップも、こうやって笑い飛ばせるところがジョージらしい。一方、彼は有名であることをうまく利用し、様々な慈善活動を熱心に行っている。
「ブラッド(・ピット)とマット(・デイモン)とドン(・チードル)たちと一緒に『Not On Our Watch』というグループをやっていて、最近『ワールド・フード・プログラム』に100万ドルを寄付したよ。このプログラムで、とても危険なダルフールの難民キャンプで毎日働いている若者たちがいるけど、彼らは本当に勇敢だ。僕たちは10日間いたけど、それだけで戻ってくるわけだけだからね」。
ルックスに才能、チャーミングな性格と、全てに恵まれているジョージだが、何よりも彼の誠実さこそが、これだけ多くの人々に愛され尊敬されている理由だろう。

(text/Yuko Yoshikawa)
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2008/11/4985/