カイロ 格下相手完敗の理由
2008年9月26日
サッカーも政治と無縁ではいられないのだろう。カイロの各紙が「スキャンダルだ」と批判した試合が先月あった。隣国スーダン代表との親善試合。
スーダンのバシル大統領が首都ハルツームに招いた。表向きは今年のアフリカ選手権を制したエジプト代表をたたえる招待。だが折しも、虐殺が続くダルフール紛争で国際刑事裁判所が大統領の逮捕状を請求するなど、欧米を中心に国際社会の批判が高まった時期。「隣国は友人である」とアピールすることが本当の狙い、との見方がもっぱらだ。
エジプトメディアが「スキャンダル」と怒ったのは試合の政治色でなく、その結果だ。エジプト代表は格下相手に0-4と完敗。原因は、大統領から選手全員への車のプレゼントらしい。試合後に監督は語った。「選手は集中力を欠いた。どんな車がもらえるのか、考えていたんだろう」。政治の話はともかく、選手は招待を満喫したとみられる。 (内田康)
http://www.chunichi.co.jp/article/world/worldtown/CK2008092602000271.html