2008年8月27日水曜日

スーダンで旅客機ハイジャック、リビアに着陸

スーダンで旅客機ハイジャック、リビアに着陸
2008年08月27日 09:55更新

 スーダン南ダルフール州州都のニヤラから首都ハルツームに向かっていた同国民間航空サンエアーの旅客機(ボーイング737型機)が26日、離陸直後にハイジャックされ、リビア南東部クフラの空港に着陸した。リビア当局によると、同期の乗客乗員合わせて95人が搭乗しており、中にはダルフール地方高官も含まれているという。ハイジャック実行犯は10人で、ダルフール反乱組織に所属しており、同機をフランスまで飛行させようとしているという。
 
 リビア当局ではハイジャック実行犯らに女性と子どもだけを解放すること、機内に食糧を提供することを受け入れるように要求したが、今のところ実行犯らは燃料補給を要求するだけで、いかなる交渉も拒否する姿勢を見せているという。また実行犯らは武装反政府グループのスーダン解放運動(Sudan Liberation Movement:SLM)に属しているという。一方でSLM広報担当者は今回のハイジャックと同組織の関係を否定している。

 別の反政府武装グループ正義と平等運動(Justice and Equality Movement:JEM)によると、スーダン政府はハイジャックを起こすことでダルフール難民キャンプカルマでのスーダン軍による虐殺から注目を退けようとしているという。カルマはニヤラ空港の近くに位置している。

 25日に同地域で生じた攻撃は過去1か月間で最悪のものとなった。国連アフリカ連合平和維持軍広報担当者Nourredine Mezni氏によると、26日には虐殺で殺害された33人もの人々の遺体が埋葬されたという。26日に殺害された人々の合計は70人に上るとの情報もある。

 ダルフール反乱軍と政府の衝突は2003年から続いており、総計30万人が殺害され、250万人もの人々が避難民となっている。スーダンでは2007年1月にもハイジャックが生じていたが、当時の実行犯は1名でチャド近くまで飛行を続けるようにパイロットに強要したが、途中で降伏しており、100人近くの乗員乗客の中で負傷者は存在しなかった。

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080827/22331.html