2008年5月27日火曜日

第4回アフリカ開発会議、横浜で28日から

第4回アフリカ開発会議、横浜で28日から
2008年05月26日 17:17 発信地:東京


【5月26日 AFP】日本政府が国連(UN)、世界銀行(World Bank)などと共催する第4回アフリカ開発会議「TICAD IV(Tokyo International Conference on African Development)」が28-30日に横浜で開催される。

 アフリカ大陸は貧困にあえぐ一方で、天然資源が豊富。日本のアジア地域でのライバルであり好況にわく新興国の中国とインドが、この豊富な資源を狙ってアフリカ諸国に急接近する中、アフリカ開発会議は日本がアフリカへの影響力を保持するための重要な鍵ととらえられている。

 5年ごとに開催されるこの会議は、今年で4回目を迎える。52か国が招待されているが、実際にはスーダンのオマル・バシル(Omar al-Beshir)大統領や南アフリカのターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)大統領など44か国の首脳らが出席するとみられる。

■福田首相、対アフリカ援助倍増する見通し

 主な議題は、食糧不足問題への対処、経済成長の促進、貧困削減の3点だ。

 日本は長らく「援助」をアフリカ外交の切り札にしてきた。だが、1991年には同地域において世界第1位だった援助額も、自らの負債が膨らむにつれ引き締め傾向をたどってきた。

 だが、議長をつとめる福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は、対アフリカ援助額を2012年までに倍増することを正式発表するとみられる。

 外務省の木寺昌人(Masato Kitera)アフリカ審議官は、政府開発援助(ODA)の一部を民間セクターの対アフリカ投資のリスク削減に役立て、投資を活性化したいとしている。内戦や紛争の絶えないアフリカはリスクもコストも高いとして、投資を尻込みする日本企業が多いためだ。

■インド、中国が立ちはだかる資源競争

 非政府系組織(NGO)も含め2500人の参加が見込まれる同会議は、7月の洞爺湖サミットを前に日本の存在感を高めようとする政府の思惑も絡む。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国入りなど、日本の外交目標の達成には、国連全加盟国の30%を占めるアフリカ諸国からの支持が不可欠だと外交筋はみる。

 原材料や一次産品の価格が高騰するなか、アフリカの一部の国は近年めざましい急成長を遂げている。

 エネルギーを確保したい経済新興国は、アフリカとの活発な資源外交を繰り広げている。中国は2000年から3年ごとに、アフリカ各国の首脳を招いて「中国アフリカ協力フォーラム」を開催。インドも4月に初めてアフリカ14か国を招待した首脳会談を開催した。

 外務省も、アフリカの資源と潜在的な市場の確保をめぐる国際競争において、アフリカとの関係強化の重要性を認識している。日本が特に必要としているのは、デジタルカメラや携帯電話など電子機器の製造に不可欠なアフリカ産の貴金属だ。

■スーダンとの首脳会談、自衛隊派遣も視野に

 日本政府はまたこの会議を、人権擁護や汚職撲滅をアフリカ各国政府に働きかける場としても活用したい考えだ。

 アジア経済研究所地域研究センター・アフリカ研究グループの武内進一(Shinichi Takeuchi)グループ長は、そうした目標は、特に援助国の最大の関心事である「民主化と良いガバナンス」に関する分野で達成された内容に左右されると語る。

 その意味でも、ダルフール(Darfur)紛争およびスーダン内戦後の平和維持活動について協議する日本・スーダン首脳会談は、極めて重要な意味を持つと武内氏は指摘する。

 日本は、スーダン南部における国連平和維持活動への自衛隊派遣を検討している。(c)AFP/Kyoko Hasegawa

http://www.afpbb.com/article/politics/2396525/2967929