対アフリカでEUが中国をけん制
IPSJapan2008/05/24
アフリカへの関与をますます強める中国をけん制して、欧州連合(EU)が、EU・中国・アフリカの3者関係のあらたな構築に乗り出した。
【ヨハネスブルクIPS=マイケル・ダイバート、5月15日】
アフリカへの関与をますます強める中国をけん制して、欧州連合(EU)が、EU・中国・アフリカの3者関係のあらたな構築に乗り出した。欧州委員会は、4月16日から7月13日までの間、3者関係のあり方についての市民からの意見を公募している。
国際通貨基金(IMF)の統計によると、2001年から06年の間にアフリカの対中輸出は40%伸びた。また、中国からの輸入も35%伸びている。この間、アフリカ全体の貿易の伸び率は14%であった。アフリカ・中国間の貿易額は年間550億ドルに達している。
欧州議会が昨年11月に出したレポートでは、中国のような新しい勢力に対応した一貫性のある戦略が必要であると指摘されている。また、中国が人権擁護上問題のある国々と関係を持っていることへの懸念も示されている。
たとえば、中国石油天然気集団(CNPC)の子会社「ペトロチャイナ」はスーダンで大規模な石油開発を行っている。2006年にはスーダンから輸出された石油の半分以上が中国へと向かった。
しかし、スーダン政府軍はダルフール地区において住民虐殺を繰りひろげており、石油収入は政府軍による武器購入にあてられていると見られている。
他方、アメリカン大学のジョージ・アイティー博士は、EUのアフリカ政策も自らの利益ばかりを重視していて決してアフリカの利益を考えたものではない、と批判する。
中国けん制を念頭に置いた、EUによるあたらしいアフリカ政策について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/武原真一(IPS Japan )
http://www.news.janjan.jp/world/0805/0805237682/1.php