2008年3月11日火曜日

スピルバーグ監督の抗議、中国への国際的な圧力に

スピルバーグ監督の抗議、中国への国際的な圧力に


3月11日12時31分配信 VARIETY





スティーヴン・スピルバーグ監督

 スティーヴン・スピルバーグ監督の中国政府に対する抗議は、一定の成果をあげたようだ。



 スピルバーグ監督は、アーティスティック・アドバイザーとして北京オリンピックの開会式と閉会式における演出を支援することになっていたが、中国政府がスーダンのダルフール問題解決に尽力していないことに抗議し、辞任を発表した。

 中国は、スーダンから原油の購入を依然として続けており、その売却資金がダルフールにおける大量虐殺に繋がっている、との批判がある。

 スピルバーグ監督の批判に対し、反発する声明を出していた中国政府だが、それからわずか数週後にスーダンに特別使節を派遣。取材陣の前で、ダルフール紛争解決のために関係各国と協力することを誓ってみせた。
 「批判の高まりをうけて、中国もついに対応せざるを得なくなったようです」
 そう語るのは、これまで中国に対し抗議活動を展開してきたSave Darfur CoalitionのJerry Fowler代表だ。

 スピルバーグ監督がオリンピックを辞退したことは、国際的な圧力をかけるうえで非常に効果的だったが、中国はいまだに問題解決に取り組んでいない、と同代表は批判する。

 中国は、スーダン政府に対する国連の制裁決議案に拒否権を発動させているため、国連やアフリカ連合の平和維持軍がスーダン内で活動できずにいる。
 「中国政府は、『やれることはやった』というポーズを取っているだけなんです。でも、制裁をしないことは、スーダン政府を擁護していることと同じなんですよ」

 国連の統計によると、ダルフール紛争で20万人以上が死亡、200万人以上が家を追われ、避難生活を余儀なくされているという。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000006-vari-ent