2007年10月20日土曜日

スーダン:ヘリコプター不足に阻まれるダルフール平和維持部隊

なかなかダルフール問題が上手く行きませんね。


スーダン:ヘリコプター不足に阻まれるダルフール平和維持部隊 2007/10/18

--------------------------------------------------------------------------------

【国際連合IPS=タリフ・ディーン、10月8日】

 今年7月、安全保障理事会は満場一致で、2万6,000人の国連AU合同ダルフール平和維持部隊(UNAMID)の創設を承認した。16ヶ国2万6,000人規模の同部隊は、スーダン政府の要求により主体はアフリカ諸国で、ブルキナ・ファソ、エジプト、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ケニア、マラウィ、マリ、ナイジェリア、セネガル、その他の地域からは、バングラデシュ、ヨルダン、ネパール、タイが参加、エンジニアリングと医療分野においてはオランダとスカンジナビア諸国が名を連ねている。内訳は兵士1万9,000人、警官600人、5,500人の一般職員である。

 実際の配置見通しは立っておらず、治安維持部隊事務局長ジャン・マリー・ゲンノは、地上輸送手段とヘリコプターの確保が、緊急の課題であると述べた。ヘリコプターは輸送用が18機、戦闘用が6機必要で、「どこの国からでも」欲しいと訴える。

 ダルフールは広く、人口が散在しており、同氏によると、「一般市民を守るには、ヘリコプターの機動性と射撃能力が欠かせない。」もし08年初めに十分な輸送手段が間に合わなければ、重装備の歩兵団も、視野に入れて考えると言う。10月終わりまでには、本部と2つの歩兵団が配置される。

 国連の発表によるとダルフール紛争で、20万人以上が殺され、200万人が非難を強いられている。先月には、AU平和維持部隊兵士10人が殺害され、UNAMIDの配置及びリビアで予定されている和平会談の実現を脅かす。以前同様な事件の後、セネガルが兵力の引き揚げをほのめかしたことがあるが、「今回、公式非公式にも参加取りやめの申し出はない。」とゲンノは断言する。

 UNAMIDはこれまで任務にあたってきたAMIS(AUスーダン平和維持部隊)を吸収合併する。AMISの活動を引き継ぎ、政府と反政府勢力の間に結ばれた、ダルフール平和協定(2006)の効果的な施行に務める。一般市民、エイドワーカー、国連職員を、武装勢力から守るのも任務だ。

 10月27日に予定されているリビアでの和平会談は、「重要で画期的な会談であるが、政府と各勢力との交渉は難航するであろう。現状は悪化しており、南ダルフールでは暴力の連鎖が生じ、隣国チャドへ紛争が広がっている。」とゲンノは懸念を表した。

 和平会談を前に予断を許さないダルフールの状況について、UNAMID事務局長の見解を報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=藤井正子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝


http://www.news.janjan.jp/world/0710/0710174091/1.php