2008年9月16日火曜日

〔情報BOX〕米大統領選、オバマ・マケイン両候補のアジア政策

〔情報BOX〕米大統領選、オバマ・マケイン両候補のアジア政策
2008年 09月 12日 16:25

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08・09年のアジア途上国成長率見通しを下方修正=ADB  [11日 ロイター] アジア・ファンデーションは4年に1度の政策リポートで、次期米大統領は米国の利害にかかわるアジアの大きな流れの中でも、中国とインドの台頭に一段と大きな注意を向けるべきと訴えた。

 米大統領選挙で対立するバラク・オバマ民主党候補とジョン・マケイン共和党候補の対アジア政策について、選挙用ウェブサイトや所属政党の政策、演説で示されている方針はそれぞれ以下の通り。

◎バラク・オバマ上院議員(民主党)

 <同盟関係>

 強い米軍を維持し、日本や韓国、オーストラリアとの関係を強化。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議のような2国間合意を超えた枠組み設定に向け努力する。テロリズムや鳥インフルエンザといった国家をまたぐ共通の課題に対応する地域的な枠組みを提唱。

 <中国>

 中国の台頭は米国と同盟国に機会と難題を同時に与えるものと解釈。軍同士の対話を増やし、安全保障やエネルギー、環境面で共有する課題について協力関係を強化する。中国を悪者扱いはしないが、人権問題では国際的な水準に沿うよう求め、イランやミャンマー、スーダン、ジンバブエの弾圧的な政権支持をやめるよう圧力は掛けていく。

 <台湾>

 「1つの中国政策」は認めるが、同時に米国の政策は、中国が現体制を変える動きに出た場合や、台湾の将来に関する全ての問題は台湾の人々が納得できる形で対話を通じ平和的に解決するという原則が破られた場合に、台湾の自衛を助けるとした台湾関係法にも基づくことを確認。

 <通商>

 米国の経済の安全保障を損なう貿易協定には反対し、米国の雇用を支援するため海外の市場開放を促す。中国が為替操作や知的所有権の侵害を行った場合、外交手段と通商法を活用する。米国の輸出品に対する非関税障壁を是正するよう世界貿易機関(WTO)に圧力を掛ける。

 <安全保障>

 核拡散防止条約を強化し、北朝鮮やイランなど不拡散原則に反する国に国際的な制裁を与えることを支持。

◎ジョン・マケイン上院議員(共和党)

 <同盟関係>

 オーストラリアとの長年にわたる協力関係と価値観の共有を重視。日本との同盟関係は地域の平和と繁栄の礎と考え、日本に地域および国際問題でのリーダーシップを期待する。韓国の北朝鮮に対する警戒を尊重。

 <中国>

 核問題で中国政府との対話を進め透明性と協力関係を強化し、中国にも他の核兵器保有国の政策と歩調を合わせるよう求める。経済面での自由と釣り合う政治や信仰の自由化を希望。国際経済への統合によって中国は変動為替相場制への移行が必要になると考える。

 <台湾>

 台湾関係法に基づく。

 <インド>

 インドとの関係を強化するため米印原子力協力協定を支持。安全保障上の共通の懸念や、ともに民主主義にコミットすることが永続的な2国間関係の基礎と考える。インドとパキスタンが保有する核の安全性を高めるため両国に関与する。

 <パキスタン>

 パキスタン政府および国民との関係拡大を進める。民主的な国家統治と市民社会の強化に向けた取り組みを支持、テロとの戦いでの同国の役割を評価。

 <通商>

 貿易障壁の軽減や国際的な通商規則の改善、知的所有権の保護に向け、多国間および地域内や2国間での取り組みを進める。自由貿易協定を拡大して米国製品・サービスの輸出市場を広げることで、米国内でのさらなる雇用創出を目指す。大統領の貿易促進権限を回復し、既に調印している2国間貿易協定を完了させる。

 <安全保障>

 テロリズムやイラクやアフガニスタンでの戦争、無法国家、中国やロシアなど潜在的な戦略的ライバル国の台頭に備え、さらに大きく能力ある米軍が必要。ミサイル防衛システムは北朝鮮やイランからの弾道ミサイルの防御のほか、ロシアや中国といった潜在的ライバル国に対する防衛手段として極めて重要と考える。



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http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-33727820080912