2008年7月9日水曜日

首脳宣言、初めて拉致問題盛り込み

首脳宣言、初めて拉致問題盛り込み
2008.7.8 23:14

このニュースのトピックス:北朝鮮拉致事件
 北海道洞爺湖サミットは8日夜の政治討議で、首脳宣言に初めて拉致問題の文言を盛り込むことで合意した。また、核不拡散問題をめぐって、すべての核兵器保有国に核兵器の削減を求めることで一致し、「核兵器削減」の文言を初めて首脳宣言に明記した。

 「拉致問題」の文言は首脳宣言の核不拡散問題に関する記述の中で、「拉致問題などの未解決の懸案事項の解決を含む、2005年9月の共同声明の完全な実施を通じた朝鮮半島の検証可能な非核化と関連する6カ国協議参加者間の終局的な関係正常化に向けた6カ国プロセスを支持する」との表現で盛り込まれた。

 政治討議で福田康夫首相は「日朝協議に真剣に臨んでいるが、北朝鮮が拉致問題の解決に向けての具体的行動をまったく取っていない」と批判。他の首脳からは「日本の立場を十分理解し、支持する」との発言があった。また、G8各首脳は北朝鮮の完全な核放棄に向け核申告内容の検証が重要との認識で一致した。

 アフガニスタン情勢では治安悪化が深刻なアフガン、パキスタン国境地域への支援拡大で一致。ダルフールを含むスーダン情勢に懸念を表明した上で、同国での国連平和維持活動(PKO)を支援していくことも確認した。

 このほか、対話と圧力を通じたイランの核開発問題の解決、中東和平の前進、ミャンマー民主化プロセスの進展についてG8各国が引き続き働きかけを強めていくことで一致した。ジンバブエ問題を受け同国の野党弾圧を非難する共同声明も発出した。

 一方、核不拡散問題では唯一の被爆国である日本でのサミット開催を反映して、「すべての核兵器保有国に透明な形で核兵器を削減するよう求める」との文言を首脳宣言に明記した。途上国への原子力発電所導入にあたって事前に核不拡散などの確認を行うことの重要性にも言及した。

 PKOに関し10年を目標に軍、警察、文民3分野で世界の平和構築能力を抜本的に強化し、そのための中間報告を来年のサミットまでにまとめることも盛り込んだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080708/plc0807082316021-n1.htm