2008年6月21日土曜日

厳戒のラサで聖火リレー 一般住民締め出し混乱なし

厳戒のラサで聖火リレー 一般住民締め出し混乱なし '08/6/21



 【ラサ(中国チベット自治区)21日共同=関根孝則】三月に大規模暴動が起きた中国チベット自治区ラサで二十一日、北京五輪の聖火リレーが行われ、約一時間四十分で終了した。中国政府の暴動鎮圧に対する批判が世界各地で聖火リレー妨害や抗議につながったことを受け、一般住民を締め出すなど厳戒態勢が敷かれたが、リレーは混乱なく終了したとみられる。

 沿道は商店の営業が禁止され、約五メートルおきに武装警察官らが立った。見学できるのは許可証を持つ人のみで、周辺の道路は二重の有刺鉄線が張られ、人や車の出入りを厳しくチェックした。

 歴代ダライ・ラマの夏の離宮だったノルブリンカ前の広場での出発式で、ラサ市の秦宜智・共産党委員会書記は「五輪破壊と祖国分裂をたくらむダライ集団は断固粉砕する」とあいさつした。

 聖火は同広場からダライ・ラマの宮殿だったポタラ宮前の広場までをリレー、百五十六人の走者は七十五人がチベット民族、七十七人が漢民族、回族が二人など。ゴール地点で、先月チョモランマ(英語名エベレスト)に登頂した聖火と合流。民族服を着た学生らの踊りなどで「民族融和」を演出した。

 ラサでのリレーには依然、世界各地のチベット人組織などの反対が強く、こうした動きへの警戒から日程は十七日になってようやく発表された。

 当初三日間だった予定を一日にし、コースは二六・六キロから九・三キロ、時間も八時間から一時間四十分と大幅に短縮。自治区トップの張慶黎ちょう・けいれい共産党委員会書記は「ダライ集団や内外の敵対組織の企ては必ず打ち砕く」と話した。

 聖火リレーは二十二日からは青海省で行われる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200806210220.html