2008年5月10日土曜日

中国政府、北京五輪めぐるネットの自由は保証せず

中国政府、北京五輪めぐるネットの自由は保証せず
オリンピック関連サイトはブロックされないよう「できる限り」保証すると科学技術相は語った。(ロイター)
2008年05月09日 15時59分 更新
 中国はこの夏の北京五輪期間中インターネットを検閲しないとは保証せず、オリンピックの偽ブランド製品根絶も保証できないと、当局者が5月8日に語った。

 北京五輪組織委員会のワン・ウェイ執行副会長は先に、報道機関による北京五輪報道は「完全に自由」だと約束したが、人権保護団体はこの約束をめぐる中国の対応を繰り返し批判してきた。

 世界最大の人口を持つ中国でインターネットは爆発的に普及しているが、政府はインターネットの統制を固く守り続け、非合法化された法輪功やチベット独立運動組織などに関する、反政府的とみなすサイトはアクセスできないようにしている。

 聖火リレーがエベレスト頂上に向かう中、記者会見したワン・ガン科学技術相は「インターネットに関して中国は常に非常に慎重な姿勢を取ってきた」と語った。

 「どんなサイトが閉鎖され、精査されるかについてはっきりした情報はない。しかし若年層を守るため、一部の不健全サイトに対するコントロールは存在する」

 五輪関係ではサイトがブロックされないよう「できる限り保証する」とワン氏は言い、「どんな国でも何らかのサイトアクセス制限はある。先進国でさえすべてのサイトにアクセスできるわけではない」と付け加えた。

 記者会見で配られたハンドブックによれば、「ハイテク五輪」計画の一環として、ブロードバンド無線インターネットサービスを広く提供し、「取材陣の利便性とニュースの速報性」を保証する。

 米国は先週、中国のインターネット管理を憂慮していると再度表明した。

 米国務省のトム・ケイシー報道官は次のように述べている。「中国の人たちが、ネット上の情報も含めあらゆる形の情報にアクセスできるようになることを望む。これは中国の永住者だけでなく、五輪で中国を訪れる人にも当てはまる」

 中米間のもう1つの摩擦要因となっている知的財産権の保護をめぐっては、中国政府は偽五輪製品が出回らないよう対策に力を入れていると語った。

 北京五輪のロゴや公式マスコット入りのTシャツ、キャップなどのグッズは、ハリウッド映画の海賊版DVDなどと並んで中国各地の路上で売られている。

 市は昨年、オリンピックマークの著作権侵害に対し100万人民元(14万2900ドル)の罰金を定めた。しかし当局者は、完全な封じ込めはできないだろうと認めている。

 北京知的財産権局のリュー・チェンガン局長は「捜査当局は、著作権侵害が起きないとは保証できない。われわれは対策および見つけた時の摘発に全力を尽くしている」と話した。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/09/news092.html