2008年5月30日金曜日

国際アムネスティ「北、組織的な人権侵害が多い」

国際アムネスティ「北、組織的な人権侵害が多い」

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脱北者、送還されれば行方不明…家族も行方不明に

昨年8月、北朝鮮平安南道順天(ピョンアンナムド・スンチョン)の、とあるビニロン工場の社長が公開処刑された。食べる物に困った職員たちに食料を与える金を作るため、工場の設備を売ったという罪だった。この社長が韓国戦争(1950-1953)中に、反共組織の治安隊員だったという事実を隠してきたという容疑も含まれていた。

人権向上のための国際民間機構である国際アムネスティは28日、このような北朝鮮の人権状況を公開した。アムネスティは「2007年の1年間で、北朝鮮では政治犯と経済犯罪に対する死刑執行が、絞首刑や銃殺の形態で相次いだ」と明らかにした。アムネスティはこの日、昨年から今年1月までの世界の人権実態をまとめた「2008年度報告書」を発表した。報告書は北朝鮮について「死刑、拷問、政治的あるい恣意的な拘禁など、組織的な人権侵害が相次いでいる」と指摘している。

アムネスティは「毎月、数百人の脱北者が中国から本国に強制送還されており、5万人あまりが本国への送還を恐れながら、中国で隠遁生活を送っている」と説明した。

また「数百人の脱北者は韓国に亡命するために、何カ月間、タイで拘禁されている」と言及した。韓国に定着した脱北者(セトミン)については「脱北者の3分の1が失業状態に陥っており、大部分が外傷後、ストレス障害(PTSD)を抱えている」と明らかにした。

アムネスティは2004年、中国で兄に会ったという理由で国家反逆罪の宣告を受けたソン・ジョンナムさんの事例を紹介した。ソンさんは2007年、国家安保局(ASA)の拷問で深刻な後遺症を抱えていると明らかにした。アムネスティは「中国から強制送還された脱北者は北朝鮮の内で見つけることができなかった。脱北者の家族も大半が行方不明になっていた」と説明した。

報告書は「行方不明になった家族らは政権に敵対的だと考えられ、親戚らとともに集団処罰形式(連座制)による強制拉致の被害者になっている」と伝えた。報告書は北朝鮮で表現の自由も深刻に抑圧されていると明らかにした。北朝鮮では許可を得ていない集会と組合は「集団動揺」と見なされ、処罰を受けなければならず、個人的な宗教活動を行った市民は拘禁されたり、拷問に遭ったり、死刑の対象にまでなるケースもあるという。

アムネスティは「北朝鮮政府が国連など、国際機構の人権調査官の入国を拒否し続けている」と述べ、北朝鮮社会の閉鎖性も指摘した。昨年4月、朝鮮労働党は保安軍に、外国から北朝鮮に流入する一切のビデオテープや文献、移動電話やCDなどを防げというは命令まで下したという。

韓国については移住労働者と結婚移民者問題を指摘した。「外国人拘置所の環境が劣悪で、収監された外国人は未払い賃金も受け取れないまま、摘発後、ただちに本国へと送還される」と言及した。また「韓国人男性と結婚した外国人女性が、夫の暴力から保護されていない」と明らかにした。

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=100608&servcode=500§code=500