2008年5月6日火曜日

胡主席、「成果望む」 訪日前に日本人記者団と会見

胡主席、「成果望む」 訪日前に日本人記者団と会見

 【北京・堀信一郎】中国の胡錦濤国家主席は4日、北京の人民大会堂で日本人記者団と会見し、同日行われた中国当局とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の代理人との対話について「積極的な成果が得られるように望む」と期待感を示した。一方で「ダライ・ラマが何を言ったかだけではなく、何をしたかを見なければならない」と述べ、ダライ・ラマ側が分裂活動や北京五輪の妨害を画策しているとの見方を強調した。

 胡主席は6日から中国国家元首として10年ぶりに日本を公式訪問し、7日に福田康夫首相と首脳会談を行う。訪日を「暖かい春の旅」と名付け、日中間の「『戦略的互恵関係』を全面的に推進したい」と語った。

 国際社会は中国政府とダライ・ラマとの対話進展を求めているが、胡主席はチベット政策を変更せず、維持することを明確にした。また、本格的な対話再開の条件として分裂活動をやめ、暴力活動の画策・扇動を停止し、8月の北京五輪の妨害・破壊を中止することを挙げた。

 日中間で不信感が増幅した原因になった「食の安全」については「中国製ギョーザ事件を引き続き調査して真相を解明するよう望む」との姿勢を示した。東シナ海のガス田開発問題には「双方の受け入れ可能な案が得られ、適切に解決できると信じている」と述べたが、訪日中に具体的進展ができるかどうかは明言しなかった。

 ◇パンダ貸与、前向き姿勢

 【北京・堀信一郎】胡主席は4日、東京・上野動物園のパンダ、リンリンが死んだことについて「関係部門がパンダ貸与について検討を急いでいる」と述べ、前向きな姿勢を示した。日本人記者団との会見の後で語った。

http://mainichi.jp/select/world/graph/20080506/