2008年4月15日火曜日

ゆらぐアフリカの平和維持活動

ゆらぐアフリカの平和維持活動


IPSJapan2008/04/14
前国連事務総長のコフィ・アナン氏は、平和維持活動に対する加盟国の指示が不足していることを批判すると共に、国連が平和維持活動を抱え込みすぎていることにも警告を発している。アフリカにおける国連平和維持活動の問題について報告する。






【国連IPS=タリフ・ディーン、4月7日】

 ダルフールとソマリアにおける平和維持活動に対処しようとして、国連の身動きが取れなくなっている。

 2004年以来、国連安保理はダルフール危機に関する決議を7本も上げてきた。昨年12月31日には「国連・アフリカ連合ダルフール合同部隊」(UNAMID)が設置された。しかし、2万6000人が必要とされているのに対して、現在わずか7467人が派遣されているに過ぎない。国連の潘基文事務総長は、ダルフール紛争は「極端で受け容れがたいレベルが続いている」と話す。

 他方、潘氏は、ソマリアに2万7000人規模の平和維持部隊を派兵しようと計画している。しかし、ウガンダのブタギラ国連大使は「そもそもソマリアには維持すべき平和がない」ために、国連による派兵計画は頓挫していると語る。ブタギラ氏によると、それでもなお、ソマリアには15~21個の歩兵大隊を送る必要があるという。費用は年間8.17億ドルにも上るとされる。

 前国連事務総長のコフィ・アナン氏は、国連加盟国が平和維持活動に対して無条件の支持を与えないことを批判した。と同時に、アナン氏は、国連が平和維持活動を抱え込みすぎていることにも警告を発する。「国連はアフガニスタンに入り込んで役割を奪う立場にはない。それに、ソマリアでも主要で積極的な役割を担う資源を国連は持たない」と氏は語る。

 国連のジェーン・ホール・ルート事務次長補によると、国連の平和維持活動にかかる予算は2003年には20億ドル以下であったが、2007/08年には、国連本体予算を3倍以上上回る70億ドル超になる可能性があるという。


http://www.news.janjan.jp/world/0804/0804134827/1.php