国連の飢餓撲滅大使として活躍するエジプト人俳優、マフムード・ヤシンさん
エジプト人俳優。二〇〇五年、人類の貧困や飢餓との闘いを推し進める国連の食糧援助機関、世界食糧計画(WFP)飢餓撲滅大使に任命された。二十三年前にボランティア団体を設立、友人や作家、俳優・女優らを運動に参加させ、チャリティーでの収入を学校と病院に寄付してきた。WFPに登録してからは八十カ国のプログラムに参加、毎年、一億人の人々を支援したという。
スーダンのダルフール問題に対しても、全世界に支援を呼び掛け、最近ではシリアの首都ダマスカスを訪れ、イラクからの難民の家族を慰問した。
世界には三億人の子供を含む八億人が飢えに苦しんでおり、毎日二万五千人が餓死していると訴える。
この運動をするようになった理由は、一九五六年の第二次中東戦争(スエズ動乱)で、エジプト人が食糧難で苦しんだ経験を持ったことにある。
四一年、首都カイロの北二百キロ地点の地中海沿岸の都市ポートサイード市に生まれる。六四年、カイロ大学法学部卒。六三年から国立劇場に勤めた。
国立劇場で国際文学とアラブ文学の二十五以上の作品を演じた。七五年の芸術祭でサダト大統領に表彰された。その他、エジプトおよびアラブ世界から五十個以上の賞を受賞した。
有名女優と結婚、息子と娘が一人ずつ。
(本紙掲載:4月19日)
http://www.worldtimes.co.jp/w/me/me2/ps080419.html