2008年4月1日火曜日

北京五輪ボイコット問題 過去にメダルを独占した砲丸作りの日本の職人もボイコット

北京五輪ボイコット問題 過去にメダルを独占した砲丸作りの日本の職人もボイコット

混乱が続いている北京オリンピックボイコット問題で、騒動の火種は日本国内にも飛び火している。
31日、ギリシャからオリンピック開催地の中国・北京に、聖火が届けられた。
天安門広場では「聖火歓迎式典」が行われたが、チベット暴動に対する抗議行動を受け、周辺では厳戒態勢が敷かれた。
会場周辺は完全に封鎖され、一般客は、遠巻きに眺めるだけだった。
テレビ中継では、「生放送」と画面に表示されているにもかかわらず、国営・中国中央テレビの放送は、実際にはおよそ1分の時差をつけた放送だった。
北京市民からは、「政治とオリンピックは別」との声がある中、ポーランド、チェコ、エストニア、スロバキアの首脳が、相次いで開会式の欠席を表明している。
また、ドイツのメルケル首相は、「チベット問題とは無関係」としながらも、開会式の欠席を表明している。
この発言は、ヨーロッパ全体に波紋が広がっている。
ベルリン市民は「(出席しなくて)いいと思うわ。チベットで起こっていることは、よくないから」、「(オリンピックは)スポーツだから、別のメッセージを伝えるべきだと思う」などと話した。
聖火は、4月2日から5大陸、およそ14万kmを旅したあと、中国国内のリレーが始まり、6月20日には、チベットの暴動発生地域を通過する。
慶応大学名誉教授の池井 優氏は「天安門広場で、『観光客は1km離れてください』と退去させられるというのは、やはり異常ですね。一番の問題は、6月19日からチベット自治区を聖火が回る。この時期までに、中国側が何らかの手を打たないと」と語った。
一方、日本でも、北京オリンピックのボイコットを決めたという人物がいる。
ボイコットを決めたのは、埼玉・富士見市の「辻谷工業」の辻谷政久代表取締役。
辻谷さんが作る陸上の砲丸は、過去、オリンピック3大会で金銀銅のメダルを独占した。
ボイコットを決めたのは、4年前のサッカー・アジアカップだという。
辻谷さんは「一番カチンときたのは、サッカーです。中国の選手が違反し放題なのに、それを制止もしない。そんな不公平なことで、スポーツが成り立つのか。(日本の職人が)いい物を作って、日本製品で4連覇をしてもらいたい」と語った。
砲丸は、重心が中心に近づくほどいい記録が出せるといい、最近は、コンピューターで中心の位置を測定して作っている。
しかし、辻谷さんの砲丸は手作りで、見た目や手の感触で、重心が玉の中心にある砲丸を作ることができるという。
(03/31 19:31)

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00130039.html