2007年6月3日日曜日

ダルフール紛争・最新情勢



アムネスティからダルフール問題の年次報告書が出ました。
日本語訳を以下にアップします。

スーダン・ダルフール/チャド東部危機

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1167
武器の流れを、止めて!
(c) De Morgen / Reporters
2005年3月、国連安保理は武器禁輸の対象を、スーダン政府軍も含む「すべての紛争当事者」に拡大しました。しかし、スーダン政府も、スーダンに武器を輸出している主要な国々も、国連の武器禁輸措置に違反し続けています。

中国とロシアの責任
とりわけ、安保理常任理事国である中国とロシアの責任が問われています。中国は2005年、2400万ドル相当の武器・弾薬、5700万ドル相当の部品と航空機器、そして200万ドル相当のヘリコプターと航空機をスーダン政府に輸出しました(スーダン政府のデータによる)。またロシアは同年、2100万ドル相当の航空機と関連機器、1370万ドル相当のヘリコプターを輸出しました。過去にもロシアは大量の武器を供給しています。またベラルーシもここ数年、スーダン政府と緊密な軍事的関係を持ち、2006年6月には軍事協力協定を結んでいます。

村が消えた!
輸入された攻撃用ヘリコプターや爆撃機は、ダルフールの村々の攻撃に利用されています。2004年9月から2005年2月までアフリカ連合ダルフール軍事監督官として同地で活動していたブライアン・ステイドル氏は、米下院のアフリカ小委員会で以下のように証言しています。

(スーダン政府の関与の証拠):武装ヘリが、ラバド村を空爆した直後にその上空を飛んでいます。私が先ほど説明し、写真で示したその村は、もはや存在しません。政府は武装ヘリの使用を否定していますが、(武装ヘリ)の拡大写真がこれです。スーダンの国旗が後尾部に見えるでしょう・・・(中略)・・・武装ヘリはそれぞれ4つのロケット・ポッドを搭載し、一つのロケット・ポッドには20発のロケットが入っています。そして1発のロケットには、約500個の小型矢弾が入っています。小型矢弾は散弾銃を撃ったようになります。これは、軍事目標やトラックや建物に向けて発射されるのではなく、住民を標的にして使われます。もっぱら人間を殺し、不具にするために使われるのです。

アムネスティの新しい報告書
2007年5月8日にアムネスティが発表した新しい報告書では、武器移転の詳細や、ダルフールや東部チャドで住民への攻撃に使用されている証言などを明らかにしています。そして、国連安保理に対して、武器禁輸の実施強化とダルフールへの武器の流入を止めるための措置を緊急に採択し、各国がダルフール紛争を助長するような武器の輸出を停止するよう、提言を出しています。

報告書(英文)はこちらでご覧になれます。

Sudan: arms continuing to fuel serious human rights violations in Darfur





ダルフール紛争の解決を訴えるアムネスティ・モロッコ支部の会員。 (c) Zoulikha