2009年1月30日金曜日

ライス米国連大使:新大使、着任早々「国連を重視」 事務総長、米と関係改善期待

ライス米国連大使:新大使、着任早々「国連を重視」 事務総長、米と関係改善期待
 【ニューヨーク小倉孝保】米国のスーザン・ライス新国連大使が着任早々に国連重視の考えを表明し、ブッシュ前政権との立場の違いを際立たせている。気候変動や核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた調整などの問題を抱える潘基文国連事務総長は、オバマ政権からの協力取り付けに自信を深めているようだ。

 ライス国連大使は政権発足7日目の26日に着任し、潘事務総長と国連の課題について意見交換した。ブッシュ前政権では議会承認が遅れ、ネグロポンテ大使が着任したのは政権発足から8カ月以上経た01年9月だった。

 ライス大使は潘事務総長と会談後、「国連の重要な課題は、米国と世界にとって中心的な課題でもある。オバマ大統領は国連こそが最も重要な国際機関であることを認識している」と記者団に語った。

 オバマ大統領も就任4日目に潘事務総長に電話を入れ、「国連と米国が協力していくことが重要」と強調、国連改革などでも強い支援を約束している。

 ブッシュ前政権の1期目、米国は単独行動主義に走り、ネグロポンテ、ボルトンと続いた国連大使は、官僚化して動きの鈍い国連に敵対的な発言を繰り返した。また、イラク戦争を巡っては、米国が国連を無視する形で開戦を急ぎ、国連との関係はぎくしゃくした。

 2期目は、イラクやアフガニスタン問題で国連の協力が必要となったこともあり、関係をやや改善させたが、国連側には米国に対し「自国の都合で国連を利用している」との不信感が根強かった。

 潘事務総長は優先課題として気候変動、ミレニアム開発目標、スーダン・ダルフール問題を掲げる。昨年に表面化した食糧危機や、世界経済危機も優先課題に加えている。こうした問題は米国の協力なしでは進まない。

 国連は5月にも2010年のNPT再検討会議に向けた準備委員会を開催する予定だ。前回(05年)会議では合意文書を一切採択できずに失敗した経緯があり、この問題でも国連はオバマ政権の指導力に期待しているとみられる。

毎日新聞 2009年1月30日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/world/news/20090130ddm007030131000c.html