2008年6月5日木曜日

アフリカ:ヒューマンライツ・ウォッチ、国連安保理に民間人保護を要請

アフリカ:ヒューマンライツ・ウォッチ、国連安保理に民間人保護を要請
IPSJapan2008/06/05
国連安保理は、スーダン、チャドなど5カ国に代表を送り、和平、治安、開発関連の重要問題について討議する予定だ。各国はいずれも内戦や選挙など重要な国内問題をかかえて混乱している。国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチも安保理に対し、これらの国々での調査など具体的な活動を求めた。






【国連IPS=ハイダー・リズヴィ、5月29日】

 国連安全保障理事会は、6月1日から10日までスーダン、チャド、コートジボアール、コンゴ民主共和国、ケニア5カ国に代表を送り、和平、治安、開発関連の重要問題について討議する予定だ。

 事務総長スポークスマンは5月28日、今回のアフリカ訪問は、スーダンにおいて新たな紛争が勃発していること、ダルフールの国連平和部隊活動が困難に直面していることから特に重要であると語った。また、コートジボアールについては選挙が近づいていること、武装解除作業が完了していないことを重視。ソマリアについては、調停作業の進捗状況を確認する必要があると語った。

 コンゴ民主共和国の状況について訊ねられた同スポークスマンは、安保理は最近の政府/武装グループ間合意を確かなものとする必要があるとした上で、同理事会の最大の関心事は、武力紛争の犠牲となった数百万の難民、強制移住者の窮状であると述べた。

 国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)は同日、安保理に対しコンゴ東部における人道/人権危機を解決するための具体的行動をとるよう求める公開書簡を発表。また、3か月前に西ダルフールで起こったとされるスーダン軍と政府側民兵による民間人攻撃の事実関係および他の地域で引き続き行われている民間人に対する無差別および故意の攻撃について調査を行うよう求めた。

 更には、コートジボアール政府に2004年12月に国連人権高等弁務官事務局が提出した報告書について直ちに事実関係を明らかにするよう要求すること、チャドについては、政府に対し少年兵の使用禁止および子どもに対し犯罪を行った者の処罰を徹底するよう要求する必要があるとした。また、ソマリアについては、人道支援ワーカーに対する攻撃の停止、人権違反を調査する国際委員会の設立が必要としている。

 HRWアフリカのジョルゲット・ガニョン氏を含む人権活動家は、ウガンダ政府と16年間戦争状態にある「神の抵抗軍」(LRA)が中央アフリカ、スーダン南部で行っている民間人攻撃に関する安保理の精査に期待している。LRAは、子供を 誘拐しては兵士や荷役に使っていることで知られており、米国のシンクタンク Refugees International によれば、1986年以来3万人の子供が犠牲になっているという。国連安保理のアフリカ訪問に当たりヒューマン・ライツ・ウォッチが提出した要望書について報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/ IPS Japan 武原真

http://www.news.janjan.jp/world/0806/0806048713/1.php