2008年5月4日日曜日

中華人民共和国胡錦濤国家主席来日とスーダン・ダルフール和平についての共同声明

ダルフール問題を取り組むNGO(Japanese for Darfur・ 救え!!ダルフール難民 )で胡錦濤中国国家主席来日に当たり本日、下記の共同声明を発表しました。各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

中華人民共和国胡錦濤国家主席来日とスーダン・ダルフール和平についての共同声明


福田総理におかれましては、スーダン・ダルフール地方への小野寺副大臣の派遣などダルフール紛争の和平への積極的行動に大変感謝すると共に、その成功を祈ります。さて中華人民共和国胡錦濤国家主席来日は、停滞している国連が世界最大の人道危機と呼んだ5年に及ぶスーダン・ダルフール紛争の解決に関して中国のさらなる紛争解決を求める絶好の機会です。中国は、実質的にスーダンの石油利権を占有し、スーダンは石油歳入で大量の武器を購入する悪循環に陥り、ダルフール紛争の悪化に手を貸しました。また国連安全保障理事会では、拒否権の行使を暗示することで、スーダンに対する制裁を骨抜きにしました。ダルフール紛争における中国のスーダン・バシール政権の支援は、西欧が投資を控える 腐敗国家への「不干渉主義」の名のものと、他国の支配政権への支援と言う名の干渉でしかありませんでした。北京オリンピックを控えて、激しい国際的非難を浴びた中国は、UNAMIDの受け入れの「隠れた努力」を強調しますが、なお非アフリカ国部隊の受け入れ拒否を初めとする妨害行為をするバシール政権に対してそれ以上の努力を行っていません。現在なお中国はスーダンのあらゆる権益を持ち、唯一最大の影響力を行使できる立場にあります。胡錦濤国家主席との会談では、以下に掲げる政策を直ちに実行するよう求めるようお願いいたします。

1.スーダン・バシール政権にUNAMIDの迅速かつ完全な展開を受け入れるよう すべての障害を除き、便宜を図るようもとめること

2.同政権が国内で直ちに自主的な厳しい停戦を行い、UNAMIDとの協力を進め 和平協議を開始可能とする環境を創出するようもとめること

3.ICC (国際刑事裁判所)が戦争犯罪容疑で指名手配しているスーダン政府閣僚と、武装勢力ジャンジャウィードの指導者であるアフマド・ハルーン、アリ・クシャイブ容疑者、両者の引渡しを求めること

4.スーダンへの武器輸出および武器生産支援を直ちに停止すること

5.ダルフールの安全への可能なさらなる努力をし、社会再建に貢献すること

6,以上の項目を会談で提案することでダルフール紛争の解決に協力するよう求めるべきである。そのためのカードとしてオリンピック開会式ボイコットも辞さないと言う立場を示すべきである。

加えまして、チベット、新疆ウイグル自治区、北朝鮮脱北者、国内貧困層、民主化運動家などの要求がいかなるものであっても、その人権を第一に考えることのない中国国内の 思考が、遠方のアフリカ、スーダン・ダルフールという世界でもっとも恵まれない土地の人々の惨めな境遇より石油を優先する立場を中国政府が取らしめたことを歴史的に反省し国際的な調和した社会への新しい歩みを踏み出すよう、胡錦濤国家主席に求めていただきたいと思います。ダルフール紛争解決は福田総理の提唱するアジア外交の真価が問われる問題だと思われます。

2008年5月4日                                             

 Japanese for Darfur 代表 中村公政
 (http://japanesefordarfur.org)


救え!!ダルフール難民 代表 川添友幸
 (http://freedon1789.blogspot.com/)