2008年5月9日金曜日

政治に関心示す芸能人、北京五輪について意見分かれる

政治に関心示す芸能人、北京五輪について意見分かれる

中国がダルフール紛争終結を支援するべきだと語るミア・ファローさん=2日(CNN) ヒップホップグループ「ブラック・アイド・ピーズ」のウィル・アイ・アムさんは、米大統領選の民主党指名争いのバラク・オバマ上院議員を支持するミュージックビデオ「Yes We Can」を発表した。今度は中国の人権問題やチベット人弾圧が誤りだとして、今年8月の北京五輪に反対の姿勢を表明している。


ブラック・アイド・ピーズは来月中国公演を予定しているが、ウィル・アイ・アムさんはチベット騒乱を踏まえて「反対姿勢を取りたい」と明言し、様々な形で抗議活動を行うよう呼びかけた。


北京五輪不支持を表明した著名芸能人は多い。以前から政治活動に携わっている女優ミア・ファローさんは、五輪ボイコットによって中国政府に強いメッセージを送ることができると語った。ファローさんは、選手を傷つける意図を否定したうえで開会式ボイコットを求め、「人間として何が正しいかはっきりさせるのはわたしたち次第」とコメント。中国政府のチベット政策に反対する俳優リチャード・ギアさんも抗議デモに参加し、ボイコット支持の立場にある。


また、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏さんは、ダルフール紛争が続くスーダンの政府が経済・軍事・外交面で中国とつながりが深いことを受け、北京五輪の開閉会式の芸術顧問を辞任した。


こうしたなかウィル・アイ・アムさんらは、北京五輪や開会式のボイコットは、指導者に影響力を及すことができない中国の人々を傷つけるだけだと指摘。さらに、五輪ボイコットを呼びかける一部意見に偽善を感じると語った。


俳優ジョージ・クルーニーさんもスペイン紙に対し、中国とダルフールとのつながりを理由に北京五輪をボイコットするのは行き過ぎに思える、と述べた。クルーニーさんは「米国でモノを買えば中国製品だらけ。だから『そうだ、中国をボイコットしよう』と発言するのは、矛盾したことを言っているように思える」と語り、米国に矛盾があるとの見解を示した。



中国がダルフール紛争終結を支援するべきだと語るミア・ファローさん=2日