2008年4月9日水曜日

シスコに聖火到着、リチャード・ギアさんら中国に真実公表求める

シスコに聖火到着、リチャード・ギアさんら中国に真実公表求める
2008.4.9 13:17

 8日、米サンフランシスコの中国総領事館前で抗議するデモ隊(AP) 【サンフランシスコ=松尾理也】北米で唯一となる北京五輪の聖火リレーを控えた米カリフォルニア州サンフランシスコで8日、チベット問題の支援団体らが市内で抗議集会を開催。人気俳優のリチャード・ギアさんも姿を見せるなど、1000人以上が参加した。抗議の波は大きな盛り上がりをみせており、警備当局はロンドンやパリのような混乱を阻止しようと厳戒態勢を敷いている。

 チベット関連の市民団体や学生組織は8日朝から市内で抗議集会を開催。在サンフランシスコ中国総領事館までデモ行進し、今後予定されている聖火リレーのチベット通過の中止などを求めた。

 学生組織の女性メンバーの1人、ヨウツォ・テンジンさんは「ロンドン、パリの抗議を暴力的というには当たらない」としたうえで、「私たちもあらゆる非暴力的な手段を駆使して抗議を行う」と意気込んだ。

 夕方には、自らも仏教徒としてチベット問題に積極的な発言を続けている俳優のリチャード・ギアさんや、ノーベル平和賞受賞者で先月にはチベット騒乱をめぐって国際調査を求める声明を出したツツ元大主教(南アフリカ)らが登場。また、スーダン・ダルフール地方での人権抑圧を非難する団体なども続々と現地入りしている。

8日、米サンフランシスコの中国総領事館前で抗議するデモ隊(AP)


リチャード・ギアさんは「中国が本当に和諧社会を目指すのならば、真実を語らなければならない」と述べて、チベット騒乱の実態を明らかにすることを求めるなど、中国政府を厳しく批判した。

 聖火は8日早朝、サンフランシスコ国際空港に到着した。9日、事前の計画から大幅に短縮された約10キロのコースを走る予定だが、市当局は早くも、「予告なしに、あるいはリレーの実施中であってもルート変更の可能性がある」と、さらなる短縮を示唆している。約80人の聖火ランナーの中からも、安全への不安などを理由に、辞退者が出始めている。

 AP通信によると、国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は「ロンドン、パリでの状況を深く憂慮している」と述べたうえで、10日、今後の国際リレーを予定通り実施するかどうかの議論に入るとしており、サンフランシスコの状況次第では、聖火リレーの中止さえ視界に入りかねない状況だ。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/080409/amr0804091320007-n2.htm