2008年4月21日月曜日

北京五輪:聖火リレー 国境なき記者団事務局長、抗議目的に来日計画 入国許可は微妙

北京五輪:聖火リレー 国境なき記者団事務局長、抗議目的に来日計画 入国許可は微妙
 

26日に長野市で行われる北京五輪の聖火リレーに抗議するため、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)のロベール・メナール事務局長が今週半ばにも来日を予定していることが分かった。メナール氏は、先月24日のギリシャのオリンピア遺跡での聖火採火式を妨害し地元警察に身柄を一時拘束されており、法務省入国管理局が入国を許可するかは微妙な情勢だ。

 関係者によると、メナール氏は、聖火リレー前日の25日に東京都内で記者会見し、チベット自治区などでの暴動をめぐる問題や、中国国内の人権問題、中国当局によるジャーナリストへの弾圧の実情などについて訴える予定だ。26日には長野市入りして抗議行動をするという。

 メナール氏は、先月24日のギリシャでの聖火採火式で、北京五輪組織委員会会長のスピーチ中に、他の記者団メンバーらと式典会場に乱入。メンバーらは手錠で表現した五輪マークを描いた黒い旗を掲げ、チベットでの暴動に対する中国当局の反人権的政策への抗議を訴えた。地元警察によってメナール氏のほかメンバー2人が拘束されている。記者団は7日にパリで行われた聖火リレーでも抗議活動を展開している。

 長野での聖火リレーで妨害目的での外国人の入国について、鳩山邦夫法相は11日の閣議後会見で、「リレーが順調に日本国内を通過することを心から願っていますし、そのための施策は実行しなければならないでしょう」と述べている。

==============

 ■ことば

 ◇国境なき記者団
 報道の自由の擁護を目的としたジャーナリストらによる国際的な非政府組織で、フランスの元ラジオ局記者ロベール・メナール氏により85年にパリで設立された。世界中で拘禁や殺害されたジャーナリストの救出と、その家族の支援を実施。各国のメディア規制の動きを監視し、警告している。

毎日新聞 2008年4月21日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080421ddm041040095000c.html