米の聖火リレー、閉幕行事も非公開記事を印刷する

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米サンフランシスコで、警察官に囲まれて走る聖火ランナー（ＡＰ＝共同） 　北京五輪の聖火リレーが９日午後（日本時間１０日早朝）米サンフランシスコで大きな混乱の中、行われた。中国政府のチベット暴動鎮圧などを非難する北米在住のチベット人らの大規模デモや抗議行動を避け、当初予定されていた約１０キロのコースを大幅に変更、短縮。閉幕行事も次のリレー予定地ブエノスアイレスへ向かう航空機が待機するサンフランシスコ国際空港で非公開で行われた。

　予定のコース周辺ではチベット人と中国系住民との小競り合いが発生。また、出発前に少なくとも３人の走者が安全への不安から参加を断念したほか、少なくともデモ参加者１人が拘束された。

　見物の一般市民からも隠れるように「隔離」した、形ばかりのリレーは中国政府にとって打撃。市民の間に運営方法をめぐり反発が強まっている。中断などに追い込まれたロンドンとパリに続きサンフランシスコでも予定通り実施できなかったことで、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）は１０、１１日の理事会で、長野などで予定されている国際ルートの聖火リレーについてコース短縮など対応策を討議する。

　サンフランシスコでのリレーは予定から約２０分遅れて始まった。最初の走者に渡された聖火は近くの倉庫に消え、予定のコースを外れて車両で移動。当初のコースから２キロ近く離れた、抗議集団も見物の市民もいない別の大通りで次の走者にリレーされた。その後も小刻みに引き継がれ、わずかな距離をリレーして終了、バスで空港に運ばれた。

　サンフランシスコのニューソム市長は、予定していたコースの一部に見物客や抗議集団が集中しすぎたためコースを変更したと説明した。

　ＡＰ通信によると、終了直前、ニューヨークから参加した女性走者（４１）が、隠し持っていたチベットの小旗を振り、中国当局者とされる「聖火防衛隊」に隊列から引きずり出された。

　同市は北米大陸で聖火が通過する唯一の都市。チベット人組織のほか、スーダン西部ダルフールやミャンマーでの人権問題への中国政府の対応を批判する団体が抗議行動を行った。聖火を歓迎する中国系の集団もリレーの応援に繰り出し、デモ参加者と小競り合いを繰り返した。

　［2008年4月10日13時13分］

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20080410-346374.html