2008年4月24日木曜日

ダルフール紛争の死者30万人に 国連調整官報告

ダルフール紛争の死者30万人に 国連調整官報告

ニューヨーク――国連緊急援助調整官のジョン・ホームズ氏は22日、安全保障理事会でスーダン西部のダルフール紛争について報告し、紛争の犠牲者は当初の推計よりはるかに多く、過去5年で30万人に達するとの見方を明らかにした。


国連などが3月に発表した統計では、ダルフール紛争で20万人が死亡し、250万人が家を追われたとされていた。


しかしホームズ調整官によると、犠牲者はさらに増え、2008年だけで10万人が避難を余儀なくされた。性的暴行も増加し、食糧配給は略奪や価格高騰の影響で半減する見通しとなっている。


反政府勢力間、民族間の衝突も続き、「ダルフールの和平はかつてなく遠のいて見える」とホームズ調整官は報告。紛争勃発から5年たっても解決の糸口が見えないことに「悲しみと怒りを覚える」と語った。


ダルフール紛争は2003年、ダルフール地方で反政府勢力が政府による長年の差別を訴えて武装蜂起し、スーダン政府の支援を受けたとされるアラブ系の民兵組織ジンジャウィードとの衝突が激化。ジンジャウィードは住民に対し、虐殺や強姦などの残虐行為を行っているとされる。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200804230012.html