2008年3月30日日曜日

ダライ・ラマ会見、「銃で調和発展せず」・中国政府の対応批判

ダライ・ラマ会見、「銃で調和発展せず」・中国政府の対応批判
 

【ニューデリー=小谷洋司】インド亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は29日、ニューデリーで記者会見し、「(中国の)胡錦濤国家主席は『和諧(わかい)社会』(調和社会)を唱えているが、銃や警棒で調和や団結は発展しない」と述べてチベット情勢への中国政府の対応を批判した。

 ダライ・ラマは多数派漢民族のチベット自治区への移住政策も「人口(構成の変更による)攻撃」と呼んで批判。漢民族の増加で「チベット独自の文化遺産が根絶されようとしている」と指摘した。さらに真偽は未確認と断ったうえで「北京五輪後に100万人が移住するとの情報がある」と明らかにした。

 活動方針については、チベットの分離独立ではなく自治権拡大を求める従来の「中道路線」の主張を繰り返した。独自文化を守れるだけの自治権が保証されれば「中国に残るほうが物質的発展の恩恵を受けられる」と語り、独立をめざす考えのないことを強調した。(29日 23:03)


http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080330AT2M2901V29032008.html