2007年5月4日金曜日

スーダン・ダルフール州の民族浄化


少し古いですがブログでダルフール問題を取り上げた

サイトが有りましたのでご紹介します。



より転載


スーダン・ダルフール州の民族浄化
 現在の世界で一番深刻な問題を抱えている地域はどこか? それは視点が違えば違った答えができるので、無意味な問いに聞こえるかもしれない。それでも、その指標として日本でもわかりやすいのは、「国境なき医師団日本」のニュースリリース(
参照)だと思う。彼らがすべての問題地域に派遣されているとは言えないにせよ、彼らが必要とされている地域が問題を抱えていることは確かだ。 そうした観点で、ニュースのリストを見ていくと最近ある特徴に気が付く。スーダンのニュースが増えていることだ。今日時点のリストだと27項目中、スーダン内戦が7項目ある。試しにgooのニュースでスーダンを検索したが、関連するめぼしいニュースはなかった。日本にニュースが配信されていないということはないだろう。日本の人道支援団体NGOなら、なんらかの情報を発しているかとGoogleを検索したが、印象ではほとんどニュースはなかった。 別のソースで気になるのは、4月3日のWashington Post"Crisis in Darfur "(参照・要登録)の記事だ。
ACCORDING TO THE United Nations, one of the world's worst humanitarian crises now afflicts a Muslim people who face a horrific campaign of ethnic cleansing driven by massacre, rape and looting. These horrors are unfolding not, as Arab governments and satellite channels might have it, in Iraq or the Palestinian territories, but in Sudan, a member of the Arab League. Maybe because there are no Westerners or Israelis to be blamed, the crisis in Darfur, in northwestern Sudan, has commanded hardly any international attention. Though it has been going on for 14 months, the U.N. Security Council acted on it for the first time yesterday, and then only by issuing a weak president's statement. More intervention is needed, and urgently.  この記事によると、国連は、スーダン北西部ダルフール州におけるイスラム教徒の民族浄化(大量虐殺・レイプ・略奪)を、現在世界における最大の人道上の問題の一つとみなしているようだ。 さらに、ワシントンポストは、この問題が報道されないのは、イラク問題やパレスチナ問題のような利益代表がいないからだと皮肉っている。 同記事では、死者を数万人と推定しているが、事態としては、ワシントンポストが言うように、早急な介入が必要になっている。被害者は非アラブ系のアフリカ住民である。
 The victims of the ongoing war crimes are non-Arab African people who have lived in the Darfur region for centuries.  同様に、CBSニュース"Sudan: The Next Rwanda?"(
参照)にもニュースがあり、ルワンダ化を懸念している。
The innocent civilians of Darfur, Sudan can only hope the international community makes good on its stated intentions and conducts itself with more humanity and honor than it did ten years ago in Rwanda.  日本語の情報としては、やはり「国境なき医師団日本」のニュースリリースが読みやすいだろう。3月16日から(
参照)。
スーダン側からの越境攻撃は増加し、今ではほぼ毎日発生している。家畜を盗むためだと思われる攻撃もあるが、多くは難民を脅すために行われていることが徐々に明らかになってきている。3月7日には、アドレの周辺だけでも難民1人が殺害され、3人が銃弾を受けて負傷した。こういった攻撃の後には、大量の不発弾が残されるという問題もある。同じ週末、国境なき医師団(MSF)は、ある父子が不発弾によって負傷したことを確認している。 幸いと言っていいのだろうと思うが、イギリスのインデペンデント"Warring parties sign ceasefire in Sudan"(
参照)の記事によれば、とりあえず内戦は停戦の状態になりそうだ。 関連情報を2点まとめておく。スーダンの歴史については、外務省「スーダン概況」(参照)がよくまとまっているのだが、なぜか2月以来情報が更新されていない。まるで、この民族浄化の問題に関心がないかのようだ。もう1点、いつもはコケにしているのだが、Wikipediaのスーダンの項目(参照)もよくまとまっていた。参考になる。 最後に、要らぬ話を加えたい。私はスーダンの状況に詳しいわけではない。「国境なき医師団日本」の動向が時折気になって見て知る程度だ。が、そこから見える世界の状況は、かなりの場合、日本のメディアの国際状況とは違っている。不思議だと思う。そして、蛇足の蛇足なのだが、今回イラクで人質にあった人道支援家やジャーナリストはなぜイラクに向かったのだろうかと思う。イラクの復興は重要だ。だが、なぜ人道支援やジャーナリズムということで、イラクが選択されたのかという動機は、私には理解しづらい。